検査「考」程

 視認検査は絶対確実である,もし,見落としがないパーペキ注視ができたらだが(汗。しかし,実際はそうはいかない。どんなベテランでもヒューマンエラーは統計上微々たる発生が認められるし,月曜日の目視検査が二日酔いの濁った眼と睡眠不足でガンガンする頭の担当官で行われないという保証がないからである。見落としや検査忘れを防ぐためチェックシートが導入されたが、適当にシートに記入をする不正は防げなかった(先例多数)。主任と管理官のダブルチェック態勢を導入しても,二人がグルになれば同様に防げなかった(同)。
 結局,検査と記録を人間の作為に委ねる限り不正は防げないということが続き,20年を経て,検査機器が自動的に検査ジャーナルを印字吐き出しして,これを検査帳簿に備え付ける方式がとられた。これもコピー機の普及により,先月のジャーナルや他機のジャーナルをコピーして貼り付けるという手抜きが△△社で発覚した。コンピュータネットワークの普及により,検査機器が自動的に検査サーバにデータを送り,ヒューマンエラーや不正記録防止を図る時代に突入した。
 しかし,耐震偽造問題で明らかなとおり,ソフトウエア(アプリレベル)にバグや計算方式の不相当があれば,異なる数値が出ることがあるので,これに目を付けた不正検査ヲタクが,検査サーバにクラッキングしてデータを直に書き換えたり,コード自体をいじって,不正データ自動修整プログラム(いわゆる「ノープロブレムコード」w)を挿入する時代に入ってしまった。これを全社的に行ったのが…(自主検閲)…だが,結局,モラルの破断とモラールの脱落が一番のガンであることに変わりはないので,もっかのところ,コンプライアンスや不正検査技法に行き着くと思う。