ヒヤリハット

 もちろん,なんでこの程度のことを一々報道するんだ,俺たちは神ではない! という思いはあるし,過去のヒヤリとしたハットしたほろ苦い経験を想起する方も多いと思う*1。訓練飛行の段階はもちろん,10年近く空を飛んでいれば,ギアダウンの手順喪失は1度や2度はあるし*2,地方空港*3では,気楽に地上滑走できるから,つい……ということもまれではない。
 しかし,この段階でキャプテンレポートや事故調の調査が国際条約で義務付けられているのは,車両の交通切符と同じで,カタストロフィ(大事故)やアクシデント(中事故)に至る前のインシデント(小事故)*4の段階で原因を究明し,もって航空事故災害を未然に防止するためにある。その統計学的根拠はご存じのハインリッヒの法則*5である。

*1:「俺は一度もない」と豪語する奴は嘘吐きか記憶障害と判断するw

*2:だから定期航空機には音声警告付きのアラートが義務付けられているわけだ

*3:タワーでなくてレディオだったり,GCも空港地上監視レーダがない空港の主旨

*4:たとえば,防衛庁訓令第35号第1条〜第2条の4参照

*5:大事故・中事故・小事故は,1 : 29 : 300という発生比率で起こる,とする古典的産業事故保険事故調査に基づく