『潜水艦諜報戦(上・下)』*1

 潜水艦乗りのノンフィクションだが,当時USSR下のオホーツク海に潜航し,海底ケーブルに盗聴器を仕掛けてくるという壮大な現実ドラマ。せっかく盗聴器を仕掛けたけど,スモレンスクとモスクワの通話には,単身赴任の浮気を心配する奥さんの電話,浮気相手を口説く将校の電話などがあったのには思わずニヤリ。DIA*1やCIAの担当官はこのような電話を聴いて,どのような分析をしたか想像して,再度ニヤリ。
 今なら光ファイバーケーブルだからそんな盗聴はできない,と思った方は甘いですねー。実は光ファイバーケーブルの○○部分は××に△△しているから,そこから漏れた□□は電磁誘導で盗聴できるのです。そのため,…………という暗号化がなされている(はず)。しかし○○部分を海底で探すのは現実的に……でせう。
 そして,TPC−3(太平洋第3海底ケーブル)は,直接ハワイへ到達せず,その途中の海底に当初案になかった分岐点を作ってグアムとも繋ぎ……(ry。冗長性の確保だろうと思うことにしますが(汗。そういえば,韓国と日本を結ぶ旧KDD−HTK光海底ケーブルも,神奈川県三浦市に陸揚げせず,千葉県千倉市に陸揚げしてから,東京湾横断海底ケーブルを再び通して三浦市に再接続してますが……これも冗長性ということにしておきましょう(汗。

*1:米国国防情報局−Defense Intelligence Agency