追記:続・巷のコメント

 この判決は,一人の刑事被告人を有罪として刑罰を科していいかどうか,という判断に過ぎず,民事事件ではありませんから,これを一般化して,「こんな判決確定したら,セキュリティは……」という立論は避けた方がいいかもです。刑事事件は無罪だけど民事事件で巨額の損害賠償を負わせられる,ということは普通にあるからです。刑事事件は原則「故意犯」しか処罰されませんが,民事の損害賠償は,「故意」がなくても「過失」と「損害」があれば原則として損害賠償責任を負わされることがあるからです。
 たとえば,サイバーノーガード戦法のバルナビリティを突いた犯人が不正アクセス禁止法で処罰されたからといって,サーバ管理者が免責されるわけではなく,サイバーノーガード戦法でユーザが損害を被れば,サーバ管理者はユーザへの損害賠償責任を負わされる可能性があるのです。